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2008年2月 8日 (金) UP !

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Column012:餃子の立ち位置

何気なく夕方の地方ニュースをみていたら、今、大人気の鍋が飲食店で出てきた!作ったお店のひと、それを鍋物つゆとして販売を始めたメーカー、そして家庭でも三世代に喜んで食べられていますと言う「カレー鍋」の話でした。お店屋さんが作るのはわかる、つゆを売り出すのもわかる、そこで家庭で・・・の画面で目が点に!家族団らんの真ん中の鍋に、カパッと封を切ってメーカーのお汁が鍋に入ってできあがり。ええっ、家庭で流行ってるってそれなんですか?「カレーだと普段野菜を食べない子が食べてくれるんで、本当に助かってるんですよぉ」「おいちい」の満面の笑み。なんだかなぁとちょっと考えこんでしまいました。

食事の形態を大きく分けて家庭内食(家庭の台所で作って家の中で食べる)、中食(外部で作って家庭内で食べる)、外食(家庭の外、お店などで作られそれをお店で食べる)に分かれます。最近は、家庭の食事が中食になってきて、外食との境目がはっきりしなくなってきたのかもしれません。冷凍餃子の事件からも、いかに家庭の中に家庭料理として入っていることにちょっとびっくり。お弁当に便利な冷凍食品も同じ会社で作られて、生協でよく売れていたというのも、同じ中食化なんですね。

では、どうして中食になるのかは、忙しくなってなかなか時間が足りなくてやむをえず、外部で出来上がったものをたとえば、デパ地下で整えての場合もあると思います。それが悪いと言う訳ではありません。どんな形であれ、家族のためを思ってたべさせたい!と思っての中食もお家のご飯と言えるでしょう。ただ、今回もう一つのケース、「えぇっ!餃子ってウチでつくれるの!」と作り方どころか、作れることすら思い浮かばずに「餃子=冷凍餃子」になっているところもあることがわかりました。

家で作ることが、出来るなんてびっくり派が多くなっているのは、食の伝承が変わったからだと思います。出汁もしかり、母親は出汁の取り方をしっているけど、面倒だなと思って顆粒だしに変えてしまうと子どもはこんぶでの出しの取り方がわからなくなってしまって、次の子孫には伝わらないというわけです。暮らしのなかで、ゆっくりとでもいいので、ホントはこうすると出来るのよを伝えていく努力をしないと決して伝わることはないのですから。

餃子のカンタンな作り方をご紹介します。幼稚園で3歳からの園児が45分くらいの実習で作った一品です。


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2007年12月12日 (水) UP !

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Column011:イタリアで考えたこと

秋のイタリアを娘と二人旅をしました。
一年に一度は、2人で海外にでかけるのですが、今年はイタリア、と言うのは娘のイタリア人の友人が帰国したので、そのお家にたずねるのも目的の一つでした。

まず、ローマを見ずしてイタリアを語ること無かれ!と言う訳ではないのですが、まずローマへ、レオナルド・ダ・ビンチ空港に降りました。フランクフルト上空からずぅーっと畑、畑、畑、空港のすぐ側まで畑の連続です。

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2007年10月 4日 (木) UP !

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Column010:田んぼのまわりで

今年の田植えの前に、コメどころ山形県に行きました。

「どうだろうね、今年の天気は。よくわからないので、品種と植える時期をいろいろ変えて見たよ」

と今うちで食べているお米を作ってくれている夢ほたるの会長がいいました。昔の人は、山に残った根雪のかたちで、備えをしたといわれます。
それも、この温暖化のなかでは、変わってきていることでしょう。本当に予測がつかない時代がやってきました。確かに暑くなりました。と、言いながらも今年の夏は前半があまり暑くならず、後で、記録的な暑さになりました。一つの品種、同じ時期の刈り取りになったら、もしダメージを受けたときには大きな被害を受けます。

お盆明けに徳島にいったのですが、窓の外には稔った穂、子供たちの笑顔、ほてるような暑さの中に点在するのは、頭を垂れた穂の中に、直立不動というか、ピンと穂が立ち上がっている田んぼがありました。
青立ちといって、受精がうまく出来なかったことで、モミは付いているのですが中は見事に空っぽです。畑の真ん中は実っているのに風が吹いたようにツンツンと風にゆれていました。本当に実る以前の話だったのです。いま、温暖化によってよい米が出来にくい状態になって、この暑さ、生育も大変で今年は乳白が入った米がおおくなったそうです。

そこへ、台風が来ると、稲が倒れてしまいます。
いったん倒れた稲はもう一度起きあがるということはないので、刈り取ってしまわなくてはなりません。まっすぐ立っている稲だったら機械にかかるのですが、あとは手で刈り取るしかありません。
一粒の籾から次の世代にと思ってもなかなか思うようには行かない自然の影響があるのです。命がつながっていくことがこんなにむずかしいのですね。
今までと違って、これ以上、温度が上がると北海道が米の適地になるかも?米だけがこの食糧自給率が40%を切っているいま、唯一、90%以上日本で作られているものです。これを失くしては、大変なことになります。なくそうと思わなくてもなくなってしまいそうな、自然の厳しさを感じた夏でした。
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2007年8月24日 (金) UP !

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Column009:伝統と食育

初夏も過ぎたと言うのに、まだまだ暑さが続きます。
本当に熱帯化してきたのかしらと思うほど、暑い!ホンマに暑いと思います。
五年前に娘と一緒に野生の蘭を見に、そして熱帯の果物を食べにタイに行きました。
確かにタイでも高地だったけれど、その時も東京は36°、そこでは30°、まるで熱帯に避暑に来たようなものねと笑ったことでした。今もそんな感じですよね。

熱帯では、一番暑い時間に人は働きません。怠けてるわけではないのです。
暑さに対処して生きていくには、暑さの凌ぎ方を知っているからともいえるでしょう。
熱中症に対しての注意が出されていますが猛烈な暑さに慣れていない、勤勉すぎるのでは?と思える日本人のメンタリティが、暑さとの付き合い方にも現れているのでしょうか。
ほんと、熱帯化したなら、暑さに対しての知恵を昔から暑い所から学んでもいいのでは?と思います。

さて、この暑いお盆の時期、日ごろ出張が多くて、なかなか特別養護老人ホームにお世話になっている93歳の母を外泊で受け入れられないのですが、今なら大丈夫と4日間自宅に戻ってもらいました。
高齢の母にとって、きちんとお盆を迎えたいということもあり、私の仕事は「介護」と決めての「里帰り」です。
自宅はバリアフリーにしてあるので、母のように車椅子になっても、トイレも、台所も大丈夫、ベッドだけを貸し出してもらいます。

準備万端整えて、母を迎えにいきました。
帰ってくる機会が減っても、やはり自宅はほっと落ち着くようです。
そして、帰ってすぐ「買い物に行きたい」ということで、車椅子を押して近くのスーパーマーケットに出かけました。
お盆のお迎えの準備に今年は、きちんとお膳も作りたいからと素材の買出しです。
伊勢のひじき、徳島のれんこんなど精進料理の良い素材がそろいました。
お盆の3日間のお迎え団子から、お膳、送り団子までの料理が始まりました。
母にとって、今年のお盆をきちんと済ませることが出来たのは、本当に嬉しかったようです。

お盆の間は、精進料理のお相伴に預かって、懐かしい母の味を食べました。
懐かしいと思うのはやはり小さな時に食べた思い出があればこそ。子どもたちも大きくなった今も、白和えなどが大好きです。
考えてみれば、行事のたびに食べた思い出と一緒に食べた物だからでしょうか。

母を見ていると、だんだんと出来なくなることが増えています。
それが「老い」というものと思うようになりました。思うように体が動かせなくなった母は、「時々、夢の中では思い通りに歩いているの、好きなこともしているのよ」と言います。
今年のお盆は、母の手足になってお膳をつくりました。
それが、母に「自分でしたのと同じだね」と言われた時に、嬉しくもあり悲しくもありました。
「今度は、お正月ね」と母を送り、母が祖母にしていたのと同じように私が次の世代に行事の食事作りを伝えていくこと、これも食育と再認識しました。

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行事食の本を出しました。
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お買い物に出られる幸せ
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仏様のお膳

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2007年7月27日 (金) UP !

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Column008:またまた防災と食育

またまた、大きな地震が新潟を襲いました。
台風一過の後だったので、テレビをつけてびっくり、あれ?台風があっちに行ったの?と思わず口走ってしまいました。
本当に、忘れた頃でもないのに突然天災は再び牙をむきました。今年は初めのころから、防災の食育をすすめてきたこともあって、20日には、NHKの朝のラジオ番組ワクワクラジオで、いま、被災された方への安心ごはんの作り方などをお話しました。
札幌で電話で依頼を受けて、山形で電話をつないで生放送となりました。

基本的には、水を意識して飲みましょう。脱水症状になると大変なことになります。
というのも、私も脱水症状を体験したことがあるからなのですが、症状がでるまで、水を飲むのを忘れていたことに気がつかなかったのです。
引っ越しの時に、本当に忙しくやっと夜眠りについてから、急に心臓がドキドキしはじめたのです。脈拍が120を超え、夜中に病院に行きました。「脱水症状」で点滴でないと水分補給ができないとのことで、点滴を打ってもらい、やっと落ち着いたのは明け方でした。不思議なことに、のどが渇いたという意識が全くなかったのです。それ以来、油断大敵より水断大敵!と言い続けています。

火を使えないときでも、ストレスに対抗するようなミネラルを含んだ食べ物を意識してとってください。
日本にはすばらしい常温保存できる乾物があるのです。中でも、お勧めは海苔です。一日一枚、食べましょう。
おにぎりに巻いてもいいし、そのままパリパリ食べても太るものでもありません。あとは、観物(切り干し大根、わかめ、寒天など)一握りを小さなポリ袋に入れ、水100ccをいれ戻します。外からさわらないように絞れば、即席戻し野菜の出来上がり。そこに酢大さじ1、しょう油小さじ1/2、ごま油小さじ1くらいを混ぜ合わせるだけで、食物繊維一杯のサラダとしてたべられるのです。
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あとは、豆です。
これは子供の脳が栄養不足にならないように、節分の煎り豆でも、パックに入ったレトルトの煮豆でもかまいません。
子供の脳の発達に必要な必須アミノ酸が豆に含まれているので、でんぷんのごはんやパンだけでは補えない栄養素をとるためです。ですから、避難袋にはチョコレートよりも小豆でできている羊羹をお勧めしています。
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ということは、水、海苔、乾物、豆を台所に切らさずおいておくことと、道具として水の無い所でも洗わなくて良い調理材として、ポリ袋を備えておくだけでも頑張らない防災になるのですから。
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2007年5月29日 (火) UP !

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Column007:防災と食育 再び

地震EXPOにはたくさんの親子連れが参加してくださいました。
料理も初めてだったかもしれないけれど、一度でも体験しておくことが大切なのです。
免疫療法とまでは言わないけれど、初めて「無い」状況を体験するのと、小さなイベントでの体験であっても「無い」を意識するだけでも受け取り方は変わるものです。
自治会など地域の中で防災を考えているリーダーの参加も多く、地域に持ち帰って検討をするといっていただいたのはとてもうれしく思いました。
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さて、今度は福井県で第二回食育推進全国大会、ニッポン食育フェアin 福井が6月9日、6月10日の両日、越前市のサンドーム福井で開かれます。そこでのテーマも「神戸発!防災の食育」をテーマに食の応援団劇場では10日12時30分から13時まで、防災の食育について講演とデモと試食を出します。
地産地消のおすそ分けのコーナーでは、「防災の食育~米粉のちから」として米粉が防災にできることを展示と試食をします。
もちろん、子どもの食体験を支えるキッズキッチン協会もブースを出し子どもが料理をするキッズキッチン体験のコーナーも作ります。ちょっと遠いのですが、食育に興味のある方には色々な情報が入るところですので、是非どうぞ!

http://info.pref.fukui.jp/hanbai/shokuiku/kaisai.html

最近、防災に関する講演の依頼も多くなったように思います。
それは、能登の地震もあってのことかも知れないのですが、漠然とした不安があることは感じられます。
NHK神戸ローカルでの放送では、かまどを作る方法まで実際に取りました。この時に思ったのは、子どもたちが小さかった頃、春の連休には桜の花びらでピンク色になった海津大崎を回って琵琶湖のほとりの知内浜でキャンプをしました。秋には彼岸花が赤いじゅうたんのように咲いた琵琶湖岸を眺めながら、持参したものだけで料理をし、一切補給なしのサバイバルタイプのキャンプでした。考えてみればそれはライフラインが断たれた状況を予備体験していたことになります。一度などは、焼き肉を持っていたものの、焼き網を忘れ結局、その辺にあった針金をM字型に曲げ、ビールの空き缶をキッチンハサミでくるくると細く長く切り、針金と組み合わせて網を作って、ちゃんと焼いて食べました。窮余の策だったのですが、火の回りがやさしくっていつもより美味しかったのはケガの功名?

実際、あの阪神淡路大震災の時も、真っ暗な中にろうそくをともして食事をした時「う~ん、どこかで、見たような気がする!」「あっ!琵琶湖と一緒や!」本当にその通りでした。ベースにサバイバルスタイルのキャンプをしていたから、うちの家族はあんまり大変と思わずに過ごせたのかも知れません。
これから、またアウトドアの季節です。せっかくのチャンス、サバイバルスタイルのキャンプにして、小さな防災訓練にしてみませんか?

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2007年4月17日 (火) UP !

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Column006:防災と食育

4月6日から横浜で地震EXPOが始まりました。
デザイナーたちが集まって、「未来は夢みるものではなく、備えるものになった」というアート系の一ヵ月にわたるイベントです。なぜかアーティストでもない私が参加しています。
基本的には、被災した経験から学んだことを、次にその経験をしそうな人たちに少しでも、大変な時を生きてこられるようにという願いからです。そんなに大層なものではないのですが、何の備えもしていなくて大変な憂いがいきなり来た!それをどんなふうに乗り越えたか?立ち上がる時に何が本当に役に立ったか?などなど後で分かった日々の暮らしの中のすぐれものを紹介しています。

まずは死なないこと、そのためにはどうするか?グラッと来た時にモノや家につぶされないことです。平和なうちに、自分の周りから危なそうなところを避けるようにしましょう。耐震診断など自治体が進めているところもあるのでそんなのを利用するのもいいと思います。
また、もし今住んでいる家がつぶれたら建て替えができるかどうかも調べておく必要があります。建てたときと建築基準法が変わっている場合が多いのです。一度つぶれたらもう建て替えられない場合も結構あったんですよ。そんな時にはしっかり補強しておかなければ、再建不可能なんてことも。
避難所にいって大変だったといわれるけれど、避難所に行った人数はほんの数%、すべての人が避難所に入れるなんて大規模都市災害時にはありえません。家が壊れなければいかなくてもいいし、救いの手がこなくてもそこで何とか生きのびられるのです。

私たちの経験から言えば、食べ物が届いたのは避難所には三日目、それ以外のところには7日後でした。
我が家は東灘区で本当に神戸の端っこです。細長い地域だけが大きな被害を受け、山の近くはほとんど被害はありませんでした。地域の中で被害があっても、被害を受けなかった港もあって外からの支援が物理的にも一番入りやすいところだったと思います。そこでも、それだけの助けが来るまでの時間が必要でした。

ということは、東京や横浜、名古屋など面で広い場所ではどうなるのでしょう?助けの手は届かないと思っていた方がいいような気がします。少なくとも、二週間ぐらいは自力で生き延びない限り、誰かが助けてくれるなどと思わないことです。そんな状況の中で、生き延びるための最低限の情報を知っておいてほしいと思っています。平時ではない防災の食育、生き延びる知恵を食を通じて伝える事があの地震以来の私の仕事になりました。

せっかくたすかった命をうしなうことのないように!

Photo_113 柴田書店「地震の時の料理ワザ」坂本廣子
http://www.shibatashoten.co.jp/bookstore/book/000951.html


Photo_114 新潮社「スーパー都市災害から生き残る」河田惠昭
http://www.shinchosha.co.jp/book/300971/

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2007年4月 3日 (火) UP !

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Column005:イカナゴのくぎ煮

神戸のおいしいもの、パンであったりケーキであったりしますが、おうちでつくる名物はといえば、イカナゴの釘煮です。
釘を入れるからそう呼ぶのではありません。錆びた古釘のようにキュッとしまって 折れ曲がったように煮あげるからです。
毎年これを炊いては、遠くに住む友人に送っています。実家にいるときからですから、もう40年にもなるでしょうか。その間、たった一回だけ炊けなかった年がありました。あの阪神淡路大震災の時です。

ライフラインが途絶え水道が戻ってきたのは、イカナゴのシーズンが終わった四月になってからでした。
というわけで、今年も無事にイカナゴが炊けたということは、私も元気で平和だったというお知らせなのです。毎年、明石でとれた新のりとイカナゴの釘煮を 送り出すことができる幸せをかみしめています。
お中元やお歳暮という形で感謝を表すことはありませんが、この一年に一度のイカナゴ便がその代りでもあります。

結局、毎年80キロぐらい炊くのですが、今年はびっくりするほど高価なだけでなく、すごい品薄!やっと50キロ炊きました。これって海のプラチナになってしまったのねと思うくらい。毎年、海の状況によって違うのですが、大きさや取れる量が変わります。今年がこんなに品薄になったのは、ちょうど産卵の時期に風が吹かなかったため、いつもなら大阪湾の方に流されるはずの生まれた卵を親が餌として食べてしまったからだそうです。

結果的に少なかったのでそれぞれの魚はおいしく育ったのですが、残念ながら量は減ってしまいました。
我が家では、一年の食べ物暦の初めはみそ造り、大寒のうちに一年分を仕込みます。
そして三月はこのイカナゴの釘煮つくり。
四月五月はイチゴジャムやマーマレード、六月になれば、梅仕事、ラッキョをつけます。
夏になればトマトピューレ、バジルペースト。
秋になれば栗の甘露煮。
クリスマス前にはフルーツケーキを焼くのが定番の仕事です。

子供たちがまだ小さかったころ、私が留守の間に材料が届いたら、子供たちが「全児童」で同じように作ってくれました。タケノコやウメなど届いたらすぐに処理しなければならないものは、そこにいる人が作るという食べ物の掟。
今年は娘が友人と一緒に炊き上げてくれました。母は仕事で留守だったのです。一年に一回のことだから外せない!!とイカナゴ臭くなりながら、格闘してくれた娘に感謝!!!よかったちゃんとできて。

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2007年3月16日 (金) UP !

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Column004:不発弾処理

皆さんもテレビでご覧になったかも知れませんが、34日東灘区の青木で不発弾処理が行われました。戦後60年もの間、すぐそばにそんな危険があったなんてちょっとびっくりしました。
一番最初は、区役所からチラシが来ました。
中国語、韓国語、英語、スペイン語など日本語以外に六ヶ国語で書かれていました。そして、避難の対象は半径300m 4,500世帯、1万人でした。
このあたりはそんなに大きなマンションがあるとは思えない地域なのになんとこの人数!ちょっと計算してみたら、一世帯当たり2.2人ということは、子供を持つ家族も多いので実質独り暮らしの世帯も多いことが分かります。
あたしたちが住んでいる地域は、いろいろな国の人もいていろいろな形の暮らし方をしている今の日本の典型的な街なのかも知れません。

無事に処理が終わるまで、わが家も全員避難したのですが、猫三匹と子供たちは大阪の友人の家に、仕事があった私は尼崎のホテルに泊まりました。
これまた、後から避難所に避難した人がわずか200人だったそうです。1万人はどこへ行ってたんだろう?

 

とりあえず、この事件で考えたことは「平和」です。
あの爆弾がさく裂したとすればそれだけの人たちが被害を受けるということ、阪神淡路大震災は一度だけだけど、戦争はそれが毎日だったんだよといったお年寄りがいました。
「暮らし」の原点は平和なんですね。平和って日常には考えることがないけれど、

毎日のご飯が、ちゃんと作れてちゃんと食べられることで測られると思いました。
食べ物がなくなってスーパーマーケットがなくなったらどうする?と聞いたら「大丈夫、コンビニに行く」という答えが子供から返ってきました。
うーん、そうだよね、体験がないから想像がつかないんだ。
時には、「無い」を疑似体験するのも「食育」かもしれません。

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2007年2月28日 (水) UP !

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Column003:豆腐の手の上切り2

人間がいろいろなことを記憶していく中で、子供は体験をし、それを意味のあることの塊としての言葉に置き換え、さらに文字や絵などの記録をすることによってはっきりと理解ができる基礎を作っています。
本を読んだりビデオを見ても、自分がまったく体験していないものは、本当の理解には至らないのです。沖縄の友人は秋に遊びに来た時、お土産に箱一杯の紅葉した木の葉を持って帰りました。それを部屋いっぱいに敷き詰めて保育をしている子供たちに歩かせてやりたいのという理由でした。沖縄には紅葉はありません。秋になってもみじの歌を歌っても、きれいな絵本を見ても、本当はわからないからです。

どんなに小さなことであっても、体験したその本人にしかわからないのです。
豆腐の手の上切りで「自分はすばらしい」という実感をすることができるのも、ただ本を読んだだけ、テレビを見ただけではない、人が評価するのではない自分自身に対するすばらしい評価が出来たからなのです。
このことによって、出来る喜びを感じたからこそ、遠い将来に、困難に出会った時、「僕は(私は)、とても難しいことでもできた」という自信を持って乗り越えることが出来ることでしょう。

せっかくのこの自信を持つチャンスも周りの大人の態度で台無しにしてしまうことがあります。
例えば、子供の手の下に自分の手を添えて助けているつもりになる人がいます。はっきり言って、その手は邪魔以外の何ものでもありません。単なる大人の気やすめでしかないのに、手を出してしまってはなりません。『子供から離れてください』との呼びかけでやっと離れても、今度は包丁を上げて! と指示を出すのです。包丁の上げ下げは子供が決めることですから黙って! なのですが。なかなか難しいのは周りの大人の介入を防ぐことです。お願いだから子供を信じて、まかせてあげて。

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2007年2月 5日 (月) UP !

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Column002:豆腐の手の上切り

 「さぁ、お母さんみたいにお豆腐を手の上で切ってみようか?」
 「エェ~!」
で はじまるこの作業は、子供にとって大きな意味があります。
とっても難しいことをして、それが頑張ったら出来たという達成感、
そして、それが出来たことで自分は素晴らしいと 思う自己尊厳感
(セルフエスティメイト)をもてる大切な体験となるのです。

 今の日本の子供に足りなくなってきたのが自分は素晴らしいと思える自己尊厳感です。
データによると、自分が「素晴らしい」と思っているのは、わずか4人に1人といわれています。人が活き活きと生きてゆく為には、基本的に自分に対する信頼、自己尊厳感がなくてはならないのです。

 ところが、今の日本では、もともと愚息でございますとか、粗品でございますといった 謙遜する習慣があります。
それだけではなく日常にかけられる言葉が「早くしなさい!」
「どうして出来ないの!」「何聞いてたの!」「ダメでしょう!」であったら、
自信は、とても育たない。それが、日本の子供達の自己尊厳感の低さになっているように思います。
一度でも自分は素晴らしい!を実感してもらいたいのです。それが糧になって、将来に 辛いことがあっても乗り越えてゆく力になるからなのです。

 そこで豆腐の手の上切りというと??と言われるのですが、
この結果がスゴイというのは長年子供達と接してきて理屈じゃなくてわかります。
だって表情が一瞬にして変わるのですから。

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   実際、自分の手の平に豆腐を1/8丁のせた途端に、
全神経そこに張りつめて、時には息することも忘れたりします。
半分口のあいた子、よだれを垂らしている子はそのままで、
包丁を真っ直ぐおろし、手に当ったかなと思ったら引っ張らずに、
真っ直ぐ持ち上げる!が出来た時に
「こんな難しいことに挑戦して出来た私って!天才!」
ぐらいに思っています。
経験は誰も代わってあげることは出来ません。自分で自分は素晴らしいと実感して はじめて「自信」がつくのです。
ということで、この豆腐と自信話、次にも続きます。

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2007年1月19日 (金) UP !

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Column001:こどもの力はすごい

「料理体験から子供たちがいろいろな発見をする!」を支えるキッズキッチン協会が年末に、イベントをしました。都内のキッチンをお借りして、お正月の料理を作ろう、東京でしたので、当然のことながらお雑煮は「すまし雑煮」、「金とん」、「紅白なます」、「お煮しめ」食材は、多分都内では一番食材にこだわりを持って品ぞろえして下さるスーパーに頼みました。大根は三浦ダイコン、金時ニンジン、みりんは白扇・・・間違いなく見事な本物がずらり。初めて包丁を持つ子がいても、気にしなくていいのです。キチンと説明が理解できたら、それだけであっという間に品数が多くても作り上げてしまいます。

子供だからお節なんて、難しいはず、そんなにこだわって食材を集めてもしょうがないんじゃないといわれる事がありますが、本物に出会った子供たちは本物のおいしさが見事に伝わるのです。

午前に20人、午後に20人、2歳から10歳までの子供たちが、ひやひやドキドキと見守る大人たちをしり目に、1時間でしあげてくれました。テーブルについてもらうインストラクターは、子供が調理をしやすいようにするだけで、決してインストラクターが調理をしません。皮をむくところから、コンニャクを切って手綱にするのも子供がします。子供が料理をすると遅くなるなんてことはありません。物が煮える時間でしか煮えないし、焼ける時間は大人だって子供だって同じ時間かかるのです。だから「早くしなさい」は絶対に言いません。「早くしなさい」といって早くなることはないのですから。「早くしなさい」は子どものためではなく、大人の気休めにしかすぎないんじゃないかな。

午後の教室が終わった後に、ぽつんとベビーバギーが置き忘れられていました。それは、来るときにはバギーに乗って、帰りには、意気揚々と歩いて忘れて帰ってしまったのです。もう、バギーで連れてきてもらう子どもじゃないもんと実感したのでしょう。こんな風に、子供は料理体験で自信を持って行動が変わっていくのです。いくら言っても分らないんじゃなくて、自分で素晴らしい自分を発見して変わることが本当にわかったということなんですね。

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スタッフが押さえるのは、こどもの手ではなく野菜のほうです。

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